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マザール排除の準備を進め、その非行を当局に訴えようとしていた我々債権者グループに対し、「訴えを直ちに取り下げないと法的対抗措置を取る」と脅迫してきた事がある。自らの行為に恥じるところがなければ債権者からの質問に答え、清算過程の監査を受け入れれば良いだけである筈なのに、債務者(清算人)が債権者(投資家)を恫喝するなどとは、凡そ正常な清算人のする事ではない。
これについてはちょっと説明が必要かも知れません。皆様ご存知のように日本の債権保全回収組合(組合員約280名)は、投資家のより大きな国際的団体である債権者運営委員会(債権者数約700名)の一部をなしていました。ある時、債権者運営委員会はマザールの非行を関係当局(英国公認会計士協会、英国重大不正監視局、英国金融サービス庁、米国連邦捜査局、グレナダ国際金融サービス庁等)に訴える事にし、委員会は英文の文書を準備した事がありました。(翻訳は添付のPDFファイルでご覧になれます。)この文書の趣旨は最後の文節にあり、要は「マザールの人間が東京にきて少数の限られた投資家と非公式会合を持つので、でき得るならば貴職におかれてもこの機会に留意し、会合の様子を録音するなどして後日の証拠とされん事を希望する」と言うものでした。しかしこの文書を発送する前に債権者運営委員会の行動を察知したマザールから、これを直ちに取り消さなければ法的対抗処置を取ると言う強力な抗議があり、当時未だ弱体であった債権者運営委員会としては結局何の行動も取る事ができず、結果としてこの行動はマザールによって潰されてしまったと言う事がありました。確かに、債権者から当局に苦情をアピールされるのは、マザールに取って愉快な事とは言えないでしょう。しかしマザールに後ろめたい事が何もないのであれば、会合の場において自分達が正しい事を、堂々と証明すれば良いだけの話です。もし我々の思い過ごしであったのならば、我々がマザールに対して謝罪する、それだけの事の筈です。それを事もあろうか、力を恃んだ恫喝によって潰すなどと言うのは殆ど狂気の沙汰であり、如何なる基準に照らし合わせても、凡そ正常な倫理観を持った清算人の振舞いとは言えません。債権者として正当な権利を持った者の声を、恫喝によって押し潰したのです。