マザールの活動の偽善性に気が付き、彼等の清算行為に関する調査を始めていた私に対し、彼等は当初は無視をしたりその後は恫喝をしたりと、様々な方法で圧力を掛けようとしていました。(実は今現在も嫌がらせを受け続けています。)上に述べた、債権者運営委員会によるマザール排除運動を潰した事もそうですが、ヒステリックな反応の最たるものは私の逮捕でした。くどいようですが、マザールによる清算過程を客観的に検証するためには、一旦マザールを別の清算人と交代させる必要がありました。ここまでは皆様のご承知のとおりです。その具体的な手順についてフレイザー等と相談するため、2004年2月15日、日本から伊藤理事長を始めとする代表者数名が渡英しました。このミーティングで私は通訳と運転手を務める事になっており、翌16日、もう一人の英国人通訳を含めた総勢5名で、フレイザー等が待つ英国中部の町に向かいました。当日の夜はフレイザー等とホテルで簡単な打合せをしただけで、本当のミーティングはユニベイ(UNIBAY)社内にあるフレイザーの事務所で、翌日から行う事になっていました。しかし翌朝、未だホテル内の自室で着替えをしている最中、私はリンカーン州警察によりその場(ホテルの部屋)で逮捕され、一方ロンドン近郊にある私の自宅は本人不在のまま家宅捜索を受けました。これは詐欺共謀容疑による令状なしの緊急逮捕でした。実はこの逮捕そのものは勿論愉快な経験とは言えませんが、さりとて動転するような物ではさらさらなく、寧ろ私に取っては非常に興味を引かれる異常な行動として映りました。以下にその時、及びその後の状況を詳述します。
実は伊藤理事長等を乗せたレンターカーを私が運転し、ミーティングが予定されていたユニベイ社に向かっている途上、フレイザーが私に電話架けてきて、警察が現地で早朝から我々を「探している」事を知らせてくれました。私がフレイザーから電話連絡を受けた段階で、警察は既にミーティングの場所であるユニベイ社、及び我々が投宿する予定のホテルを訪れていましたが、これは警察が我々の行動日程を前もって完全に把握していた事を表します。フレイザーからは、無用のトラブルがあるといけないので会合の日時や場所等を変更しようか、と言う申し出がありましたが、私の方に警察を避けなければならない理由は何もなかったため、そのまま構わずに予定どおりミーティングを持つ事を私が主張したのです。その結果、翌朝私が逮捕されると言う結果になったのですが、これには実に数々の不思議な点があります。逮捕に関する事実だけを挙げておくと、前述の如くこれは逮捕令状を伴わない緊急逮捕でした。また、なぜ緊急逮捕をしなければならなかったかと言う理由として、私に逃亡の恐れ、及び証拠隠滅の恐れがあったからであると、私は説明されました。しかしこれは以下の状況に照らし合わせて考えると、全くのお笑い種であると言わざるを得ません。