インアペリアルはできてから未だほんの数年しか経っていない企業ですから、ムーディーズやスタンダード・アンド・プアーズのような世界的な大格付会社が、評価対象として取り上げてくれるところまでは行きませんでした。しかしそれより小さい幾つかの格付会社(アメリカのダン・アンド・ブラッドストリート社、及びイクスペリアン社)は、インペリアルを優秀であると認めてくれていましたし、地元の新聞(グリムズビー・イブニング・テレグラフ紙)も非常に好意的に取り上げていてくれました。
インペリアルは、凡庸な人間では思いもよらぬような独創的なアイデアで道を切り開いてきた、非常に成功した企業グループでした。しかしそれと同時に顧客と社員を非常に大切にする、極めて真面目な社風を持った企業でもありました。しかしマザールのライアンとウッドは、恰も若いフレイザーやブルックの成功に嫉妬し、それを破壊するのが楽しくてしようがないかのように、インペリアルの土地建物をただ同然でドブに捨てたのです。それは即ち、債権者である投資家の皆様の権利を踏みにじったも同然の事なのです。以下にお見せするのは彼等が「管理」した結果の姿です。一般論になりますが管理人なり清算人は、預かった資産の価値を損なわないように保全する義務があります。そうでないと高く売る事ができないからです。高く売れなければ債権者に対して、債務を返済すると言う責任が取れないからです。しかしマザールの管理状態を示すこれらの写真を見てみると、結果として大した金額では売れなかったのではなく、彼等は最初から捨て値で処分することしか考えていなかったように思われます。即ち、投資家の皆様に返すべき金の事など、初めから念頭になかったのでしょう。このようにしてインペリアルの資産は、管理人達から本来あるべき適切な管理を受ける事もなしに、ただ荒れるに任され、無惨に捨てられていったのです。
マザールが「管理」している時の事務所内風景
マザールが「管理」しているときの事務所内風景
マザールが中も見ずに売り払ったコンピューターが収まっていたラック
これがマザールの言うところの「管理」の実体なのです。ここで他の主要な債権(融資債権)の事をちょっと忘れ、この不動産資産の事だけを考えてみましょう。幾ら価格の安いイギリス中東部地方だとは言っても、10万坪の土地に12棟の建物が乗っていた不動産を処分した結果、皆様には依然として一銭も返って来ないなどと言う事が、納得できるものでしょうか。1坪1万円で見積もったとしても、10万坪ならば10億円になります。要するに彼等は最初から、皆様に資金を返す気など全くなくて、従って不動産を適切に管理する気も全くなかったと言う事です。
もう一度簡単にまとめます。マザールは、アルゼンチンにあった本来投資家に帰属すべき何億ドルもの鉱山資産を、自分たちには理解もできずまた回収ノウハウも持っていなかったため、ただこれを放棄する事にし、その一方で回収が簡単であると言う理由から、国内にあった消費者金融資産の回収だけに専念し、しかもそのほぼ全額を経費、及び手数料として投資家から合法的に盗んでいるのです。不動産に関しては投げ捨てました。前述したとおり、英国のある有力法律事務所のパートナーが、「我々はマザールがインペリアルを収奪したと認識している」と、また世界有数の監査法人の上級パートナーが、「我々はそのような状況を承知している」と発言しているのは、故のない事ではないのです。