22-5 被疑者人定の失敗
目前で犯罪が行われている場合は、当然現行犯逮捕と言う緊急逮捕ができます。しかし現行犯以外で緊急逮捕をする場合は、誤認逮捕を避けるため被疑者の人定が事前にできていなければならないのは、英国おいても日本と同様です。即ち実際に逮捕行動に向かう警察官は、どの特定の人物を逮捕すべきなのかを、事前にちゃんと知っていなければならないのです。私の場合は現行犯逮捕によるものではないのですから、彼等は誰が逮捕すべき「私」であるのか、写真その他の特徴から前以て知らされていなければなりません。ところが彼等が後になってから私に白状したところによると、彼等は誰が私であるかを特定する情報を持っておらず、最初は伊藤理事長を私と誤認したとの事でした。誰を逮捕して良いのか被疑者の人定もできておらず、実際には存在しない逮捕理由(逃亡の恐れと証拠隠滅の恐れ)では令状も取れる筈はありません。また居所も連絡方法も最初から明らかになっているにも拘らず、わざわざ不自然な時間と場所と方法を選んで私を逮捕しなければならなかった理由は、一体何だったのでしょうか。考えれば考えるほど不自然な事だらけです。